[対談] 人情と詩情豊かなエキサイティングな街高崎

高崎市と会議所が連携して中小企業の活性化を図る

信用保証料全額補助で利用が3倍に!

高崎市長 富岡賢治

高崎商工会議所 会頭 原浩一郎

富岡賢治市長:あけましておめでとうございます。高崎がにぎやかでエキサイティングなまちになるように、高崎が良いまちになるように新年の思いを新たにしています。

原浩一郎会頭:あけましておめでとうございます。お揃いで輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。今年が良い年になりますようにお祈りしています。今年は、高崎が更に大きく飛躍する、最初の年になるものと明るい希望を持っています。 昨年は富岡市政の2年目として、施策を矢継ぎ早に打ち出していただき、商工会議所としてもありがたく思っています。

富岡市長:産業やビジネスに本当に必要な施策を高崎商工会議所に相談し、知恵を借り、手を携えて事業を実施してきました。

原会頭:土地取得費の3割を支援する全国屈指のビジネス立地奨励金制度、起業家へのすばらしい支援制度も実現していただきました。特に大きな成果を上げたのは商工会議所が窓口となっている小口資金融資の信用保証料の全額助成制度です。

富岡市長:中小企業への支援策として高崎市が何をすべきか、商工会議所の意見を聞けることに感謝しています。

原会頭:資金繰りに困っている企業が融資を受けるわけですから、保証料は大きな負担となります。富岡市長の英断で、保証料負担がゼロとなり、利用者が大きく増加しました。保証協会もすばらしい制度だと絶賛しています。平成23年4月から11月までの申し込み件数は447件、融資総額が24億6千万円でしたが、平成24年は1,231件、78億3千万円で、件数が2.75倍、金額は3.18倍に伸びました。こうした資金需要の伸びは市内の中小企業が活性化してきた現れでもあると喜んでいます。

高崎の個性や立地を活かした新しい都市施設の整備を推進

ビジネスや芸術、スポーツの拠点をつくる

富岡市長:高崎は、他の都市に比べて活気があると思いますが、都市間競争は厳しく油断ができません。高崎の都市力を活かした積極的な施策展開が必要です。

原会頭:高崎商工会議所も提言して、現在高崎駅東口に計画が進められている音楽ホールも含めた都市集客施設や、ニップン跡地の新体育館は大きな集客につながり、経済効果に期待しています。平成26年度中には高崎玉村スマートICも開通し、都市基盤整備には市民の関心が高まっています。

富岡市長:高崎市のセールスポイントは、戦後から一貫して交通の拠点性が優れていることでした。東日本大震災以降、高崎は大きな地震など自然災害が少ないことも注目されています。この2つは大事なポイントですが、高崎の発展には、人が集まるための仕掛けや、高崎に進出しようとする企業の背中を押すための材料が必要です。北関東自動車道の開通や北陸新幹線の金沢延伸も間接的なきっかけになると言えますが、高崎に人が集まり、交流する直接的な目的が必要です。

原会頭:高崎のポテンシャルを活かし、ビジネスや芸術文化、スポーツなど幅広い分野で交流人口を増やしていくことが高崎市の発展のカギになると、私どもは提言を重ねてきました。

富岡市長:現在、音楽ホールや体育館には高度な設備が求められるようになり、現在の高崎市の施設では対応できない状況が長く続いています。全国合唱コンクールの開催が高崎に内定していましたが、主催者が会場の群馬音楽センターを視察した結果、設備が不十分で、キャンセルになってしまったそうです。スポーツでも県規模の大会は、試合会場が不足して高崎で開催できませんから、他の市で行われています。高崎市は37万都市になり、勝ち組のように言われていますが、音楽やスポーツの開催では、都市間レースのスタートラインにさえ立っていないのです。

原会頭:施設や設備が不十分で、高崎市の交通利便性を活かせず、チャンスが通り過ぎてしまっていることに、私たちも強い危機感を持っています。

富岡市長:東口に建設する都市集客施設は、大小の音楽ホールや市民が創造的な活動を行うスタジオやイベントスペース、ビジネスを活発にするための研修室・プレゼンテーションスペースを盛り込んだ複合施設で、新しい高崎の牽引力となります。

 群馬音楽センターは、市民が建設資金を出し合ったすばらしい施設であり、市民の財産として、今後も大切に使っていきますが、かねてからクラシック音楽は残響音の不足、ポピュラー音楽では華やかな演出装置にステージが対応できないことが指摘されています。「座席が狭く長時間座っていると疲れて音楽に集中できない」といった市民の声も多い。「音楽のあるまち高崎」は、残念ながら音楽のメッカとは言えなくなっています。群馬交響楽団も、音楽センターを拠点にしていたのでは、質的な向上が望めない状況です。新しい施設では、群響や市民に創造的な活動をしてもらいたいのです。

原会頭:新体育館は、高崎駅西口エリアの活性化にも貢献すると期待しています。

富岡市長:体育館も、公式基準に対応した施設になれば、県大会だけでなく、全国大会、国際大会など大きな大会も開かれるでしょう。全国大会を開催するためには、バレーボール、バスケットボールのコートが4面、サブコートも必要です。高崎市の体育館は、今、2面しかとれません。新しい体育館は、スポーツでも高崎に人が集まる施設として構想をしています。

原会頭:こうした施設の整備では、合併特例債などを有効に使い、高崎市の財政負担を軽くしているとうかがっています。

富岡市長:確かに「財政は大丈夫か」と心配していただき、市民の皆さんからも質問を受けます。幸いなことに高崎市は、大きなプロジェクトが一段落しています。新体育館、東口の都市集客施設、将来は高浜クリーンセンターの建て替えが予定されていますが、時期をずらしながら負担を平準化していきます。無駄の無い効率的な財政運営は行政の基本です。

高崎の魅力や可能性を全国に発信

市長・会頭新春対談2013高崎ビジネス誘致キャンペーン

市長・会頭新春対談2013工事が進む高崎玉村スマートIC

市長・会頭新春対談2013高崎操車場跡地でビジネス団地建設が進む

東京丸の内でのビジネスキャンペーンが大きな反響を呼ぶ

原会頭:昨年の一番のイベントは、東京の丸ビルで10月に行った高崎ビジネス誘致キャンペーンだと思います。予想を超え3日間で3万人を超える来場者がありました。このキャンペーンを見て、守りだけではいけない、打って出ていくことが必要と強く感じました。

富岡市長:高崎市も、打って出たいという気持ちは持っていました。このキャンペーンでは、高崎商工会議所から東京商工会議所に協力をお願いしていただき、おかげさまで大成功となりました。商工会議所のネットワークはすごいと感じました。

原会頭:丸ビルを所有している三菱地所㈱の前社長で相談役の高木茂さんが、東京商工会議所の代表として、キャンペーンのレセプションに来てくれましたが、私の小学校の同級生とわかって驚きました。キャンペーン会場では抽選で高崎だるまをプレゼントしていましたが、東京商工会議所がそれを聞きつけて、オリンピック誘致キャンペーンのため、千個のだるまの注文があり、思わぬ収穫もありました。

群馬県の歴史を見ると、戦国時代も攻められるばかりで、外に打って出て行った歴史がないですね。群馬県の魅力度ランキングが47都道府県で最下位になったのは、積極的に出て行ってPRすることが足りなかったのではないかと、このキャンペーンを見て感じました。

富岡市長:ビジネス誘致については、高崎市の工業団地は空きがなく、今のところ、市内に産業用地がありません。高崎操車場跡地も約十年間、売れませんでしたが、条件を整備したらすぐに完売し、良い会社に進出してもらいました。

高崎・玉村スマートICが開通すれば高速道と高崎駅が結ばれ、大きく状況が変わります。スマートIC周辺にビジネス用の団地を造成し、企業誘致の受け皿を整備する計画です。ビジネス用地を確保することで、初めて高崎が勝負できると私は思っています。

高崎の「まちなか」を活性化する多彩な事業を展開

楽しく、面白く、便利な魅力を積み重ね、高崎の集客を増大

富岡市長:江戸時代から高崎は交通に恵まれ良い条件があった。「そこそこ」の集客、売上があったのでしょう。今は「そこそこ」では地盤沈下してしまう時代です。高崎のビジネスが動くようにしないと、ビジネスチャンスも消費も増えないし、まちも活性化しません。高崎商工会議所が中心となって開催してもらっている高崎商都博覧会と高崎バルは、私がお願いをして、年2回に回数を増やしてもらいました。

原会頭:昨年は、高崎映画祭期間中の自転車貸し出し事業、秋にはまちなかオープンカフェ事業、まちなか音楽活動助成事業など、新事業を展開しました。

富岡市長:みな、商工会議所が中心になって実施していただいています。

原会頭:高崎市と会議所が官民を挙げて、市長が提唱する「エキサイティングなまちづくり」に努力しました。高崎の文化や市民の心を、まちの魅力として重層的に積み上げていきたいですね。まちなかの人に話を聞くと、少しずつ人の流れが増えてきたそうです。まだまだ十分ではありませんが、効果が現れてきたうれしいニュースです。

富岡市長:実際に高崎市の飲食業の営業許可申請は、これまでの3倍に増えています。

原会頭:3年に一度のたかさき産業祭は2日間で、1万を超える来場者があり、高崎商工会議所の会員大会も盛大に行えました。高崎映画祭、高崎音楽祭、高崎まつり、えびす講市など恒例の事業も積み重ねてきました。今年はえびす講市が85回目の節目なので、新しい考え方を取り入れるなど有意義に開催したいと考えています。

富岡市長:高崎市も応援しなくてはいけませんね。

オープンカフェとコミュニティサイクル(高チャリ)

市長・会頭新春対談2013オープンカフェ

原会頭:高崎商工会議所の事業は、農・商工・観光・文化と、欲張って広げていきたいと思います。

富岡市長:実際にそうした方向で成果を上げていますし、高崎商工会議所の取り組みは早いですね。日本の地方都市は、戦後60年間、まちなかの活性化を唱えてきましたが、あまり解決したという話は聞きません。まちなかの活性化事業は、単発のイベントで終わらせず、商業活動にプラスになるよう、市民の皆さんに存分に力を発揮してもらいながら取り組んでいます。

商都博覧会や高崎バルのように、ビジネスが動くと効果があると思います。高崎バルでは飲食店の売り上げが伸びたようですから、年2回と言わず、毎月開催していただきたいですね。また、原会頭には、今度は「高チャリ」という高崎の商店街を自由に乗り回せるような無料の貸し自転車を検討して頂いています。

原会頭:課題はありますが、やってみようと思います。

富岡市長:高崎のまちには、情感がまだ足りないのでしょうか。中高年のカップルが腕を組んで散歩するような雰囲気も必要だと思っています。

原会頭:4月からオープンカフェを本格的に実施したいと思いますが、まさに、中高年のカップルが、腰掛けてお茶を楽しむ風景にしたいですね。

富岡市長:絵になる風景ですね。まちを歩く若いカップルももっと増えてほしい。ビジネスを盛んにするのは、最終的な目的ではありません。ビジネスを盛んにして、雇用を確保し、文化的で安心した生活、落ち着いた生活ができるようにするのが高崎市の行政の目的です。

市と商工会議所の連携で高崎の底力を発揮

多彩な産業構成が、バランスのとれた高崎をつくる

富岡市長:私は、朝早く起きて毎日散歩をしています。旧市内はくまなく歩いて、路地裏まで詳しくなりました。これからは、各地域も歩きたい。高崎は広いですが、くまなく踏破したいと思います。お店やまちなみなど、発見が多いです。

原会頭:私の今年の抱負は、去年と同じですが「進化と深化」です。進化は、強い者や賢い者が生き残るとは限らない、変化するものだけが生き残り、成長するという意味です。今年の干支の蛇のように脱皮をくり返しながら成長して行く必要があると、改めて感じています。

自分の決めた目標を、より深く掘り下げるのが「深化」です。深く掘り下げて行く中に、本当の新しさがある。俳人の高浜虚子が「深は新なり」という言葉を残しています。趣味の俳句の時間も、少しは取れるようにしたいと思います。

富岡市長:原会頭の受け売りですけれど、高崎は商都と言いますが、農商工のバランスのとれた都(みやこ)と言えますね。東京で人気のあるまちは、商はあっても農や工はありません。高崎は全てが揃っている。技術も高く全国に誇れる企業がたくさんあります。

原会頭:高崎のように農商工のバランスがとれ、産業も多彩なまちは少ないでしょう。

富岡市長:今年も高崎市と高崎商工会議所が連携し、力を合わせて取り組んでいきましょう。

原会頭:今年は、昨年にも増して高崎の底力を発揮していきたいと思います。